イギリスに住み始めて29年になります。どっぴりとイギリス生活に浸かりながら思う事は 英国人の生活と紅茶がどれだけ強い絆に結ばれているかという事です。
まず朝一番に起きて紅茶から始まり、午前10時 ママ友のでコーヒーモーニングと呼ばれるグループの集まりでも紅茶がほとんど、3時の紅茶、夕食後の紅茶(ディカフェネート)イギリス人は平均して1日3.5カップの紅茶を飲みます。
紅茶にまつわるフレーズで ”It is my cup of tea” ( 私のお気に入り)とか”He is not my cup of tea”(彼は私のタイプではないわ)などの例から紅茶がイギリス人の一番身近な物である事がよーくわかりますね。
また紅茶の歴史をたどっていくと英国の文化、産業、芸術作品や庭園のデザインなどの美意識も見えてきます。
そんな英国人に愛されている紅茶の歴史を追いながら英国の歴史の変化を私なりに語ってみようと思います。まずはその一歩
1657年にポルトガルとオランダの商人が始めて紅茶をイギリスに輸入しました。その後1660年後半からイギリス人の商社 English East India Companyが直接中国から輸入を始めました。書物では1615年の6月27日に日本の平戸に住んでいたイギリス人、ウィッカム(Wickham)が初めて紅茶について書いた手紙が英国立図書館に残っています。紅茶は美味しいだけでなく、体に良い薬の役目もはたす。。健康に良い飲み物である。。。と書かれた1650年の広告もありました。
コーヒーは紅茶よりいち早くイギリスで飲まれていました。コーヒーハウスと呼ばれるイギリス紳士が商談や会議をするために集まる場所がロンドンやオックスフォードに数軒ありそのコーヒーハウスで紅茶も出されるようになったことから上流階級の中で広がってったわけです。コーヒーハウスでは茶葉もお土産に買う事ができ、ご婦人へのお土産として紅茶が家庭にはいっていきます。その頃大変高価だった紅茶を手に入れたご婦人がお友達を集めて紅茶を楽しむようになり、そこから家庭で使われる小さなティーポット、カップ、ティーケトル、そして小さめなティーテーブルなどの家具が作られるようになりました。
次回は17世紀の裕福な家庭での紅茶の飲み方について書いてみます。