西洋アンティークの陶器と磁器の違い

西洋アンティークの陶器と磁器の違い

 

中国の磁器に憧れてヨーロッパの窯元は磁器の作り方を競争して研究、18世紀初期、ドイツのマイセンが初めて中国磁器の作り方を発見したのはご存知かと思いますが、その後もヨーローパの窯元が白く透明感のある硬い中国の磁器の作成にたどり着くまで、大変な苦労がありました。その歴史の出発点に戻ってヨーロッパの陶磁器とは何か?から学んでみましょう。

 

イギリスでは “Ceramics ”(陶磁器)は全ての焼き物の事を意味します。

陶磁器 は次に “Pottery” (陶器) と “Porcelain” (磁器)に区別されます。

Pottery(陶器)

18世紀のイギリスのPottery(陶器) は “Earthenware” や “Stonware”とも呼ばれ、白く透明感のある中国の磁器と比べるとキメが荒く重いものでした。17世紀の後半、スターフォードシャー窯元が塩を釉薬に加える 事で白っぽい陶器を作ったのが中国の磁器にすこし近ずいた初めての陶器でした。

陶器の特徴:透明感がない、指で弾くと低い音がする

Porcelain (磁器)

1745年、磁器の材料になるカオリンと チャイナストンがイギリスで発掘され、初期の磁器が作られるようになりました。そしてボウ窯元とチェルシー窯元はカオリン、チャイナストンの代わりにソープストーン(石鹸石 名前の通り柔らかい石)を使いソフトペーストの磁器を作り始めました。

磁器の特徴:硬い、光を透過する透明感がある、色は白く 指で弾くと高い音がする

 

18世紀のヨーロッパ アンティーク磁器はソフトペースト磁器 と ハードペースト磁器に区別されます。

ソフトペースト磁器の特徴:低温で焼かれる、割れた欠片がざらつく、ツヤが少ない

ハードペースト磁器の特徴:高温で焼かれる。触ると冷たい、割れた欠片はガラスのように鋭い、細かい形が綺麗でツヤがある

 

フランスのセーヴル窯元は1745年から1772年の間に初めてのソフトペースト磁器を製作しています。18世紀のイギリスでもほとんどの窯元はソフトペースト磁器から製作していましたが、ブリストル窯元やニューホール窯元はハードペーストで作っていました、しかしソフトペーストは名前通り柔らかく壊れやすい磁器でしたので残っている数は少なく現在は滅多にソフトペースト磁器に出会う事はありません。

 

 

ヨーロッパの窯元は最初、陶器の製造から始まり18世紀に憧れの磁器の製造をはじめました。硬質の原料が普及していなかったため、磁器生産の初期はソフトペーストの磁器がつくられていましたが、徐々にハードペーストの磁器製造が可能になりました。このような歴史からソフトペーストのセーヴルの希少な作品がクリスティーズのオークションで高価格で落とされる訳がご理解いただけましたでしょうか?

クリスティーズ オークションハウスのセーブルコレクションについてもう少し深くお勉強されたい方はこちら(英文)でご覧ください。

アンティーク セーヴル 天使のプレート SÈVRES

アンティーク セーヴル 天使のプレート SÈVRES S3

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